基質の数=酵素の数なのか?

酵素

タンパク質を主成分とし、生体内の特定の反応に触媒として作用する物質。生体触媒ともいう。
酵素が触媒としてはたらく物質を基質といい、酵素には基質と結合して触媒作用を示すことができる特定の分子構造がある。この部分を活性部位といい、このようなしくみで特定の物質だけに作用することを基質特異性という。

さらに、それぞれの酵素は、触媒としてどのような反応に作用し、何が生成するかが決まっていて、これを反応特異性という。
(生体内ではある1つの基質に着目しても、作用する酵素が違えば生成物も変わってくる。通常、酵素は1つの化学反応しか触媒しない性質を持っている。)

酵素は1つの基質に対して、また1つの経路の反応に対して特異性を持ち、他の物質や反応には触媒作用を発揮しない。
しかし、基質1つに対しては、いくつかの酵素が作用し、その反応によって生成物が変わる。

例)基質:過酸化水素(オキシドール)
過酸化水素を基質とした場合、生体内に含まれるカタラーゼという酵素による触媒作用が良く知られている。過酸化水素は酵素の働きで水と酸素への分解が促進される。しかし、例えば大根に含まれるペルオキシダーゼなどは、カタラーゼ同様に過酸化水素を基質として触媒作用を示す。

例)ペプシン・トリプシン
胃液や膵液ではたらくペプシンやトリプシンは、どちらもタンパク質を基質とするタンパク質分解酵素である。
ペプシンは、疎水性アミノ酸残基などのアミノ基を切断できる酵素である。トリプシンは、塩基性アミノ酸残基のカルボキシル基側を切断する酵素である。ちなみにキモトリプシンは、芳香族アミノ酸残基のカルボキシル基側を切断する酵素である。このようにタンパク質の切断部位が酵素によって異なり、生成物であるポリペプチドの形状も異なる。

以上のように、酵素が作用する基質は1つだが、基質にとって作用を受ける酵素は1つではない
よって基質の数≠酵素の数である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました