タンパク質の変性
タンパク質に熱を加えたり、酸・塩基・重金属イオン・有機溶媒などの化学的な刺激を水溶性タンパク質に与えると、分子の形状が変わって性質も変化し、水溶性を失い凝固・沈殿する。これをタンパク質の変性といい、タンパク質の一次構造は変化しないが、高次構造を保っている水素結合や水和している水分子が失われて高次構造が変化するので、タンパク質本来の機能を失う。
熱変性で凝固したゆで卵のように、変性を起こしたタンパク質は、ほとんどの場合、変性前の状態には戻らない。また、変性を起こしたタンパク質は、消化酵素がはたらきやすくなるので消化吸収を助ける。
◇熱
タンパク質は高温になると変性する。これを熱変性と呼ぶ。また、低温でも変性を起こすが、通常のタンパク質が低温変性を起こす温度は0 ℃以下である。
人体の場合、42℃以上で熱変性が始まるといわれている。
◇酸・アルカリ
タンパク質はpHの変化によっても変性する。pHが極端に変化すると、タンパク質の表面や内部の荷電性極性基(グルタミン酸、アスパラギン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン)の荷電状態が変化する。これによりクーロン相互作用(荷電粒子間に働く力)によるストレスがかかり、タンパク質が変性する。
例)パーマ
毛髪タンパク質(ケラチン)のジスルフィド結合を還元剤で切断し、カーラーで巻いて形を作った後、酸化剤により再びジスルフィド結合を形成させ、元の毛髪タンパク質とは違った立体構造に変えている。
◇その他
変性の原因は、上記の2つの他に圧力変性や変性剤による変性などがある。

コメント
恐縮ですが、御意見をいただけますでしょうか。魚の酢漬けで、酸味は付けたいのですが、白く硬くなってしまうタンパク質変性を防ぎたいのですが、糖分などである程度は抑えられるものなのでしょうか?抑えられるとした場合、酸度からの計算などは有るのでしょうか?
KHさん
すみません、コメントに気づかず遅くなってしまいました。
タンパク質の変性を抑えるというか、糖を導入することでタンパク質の機能が改変されることは確かに研究結果として出ています。
糖によって魚などの動物性タンパク質が水溶化したり、熱に対して安定性を持ったり。
しかしすみませんが、私の勉強不足で、酸性度と変性抑制の関係についてまではわかりません。実際に試してみるしかないのかな、と思います。